CASE 01

材料開発編

4年目

A.F

NOK株式会社
技術本部 材料技術部 材料開発一課
総合化学研究科 総合化学専攻 修了

ようやく一つ目の製品が世の中に。
けれどもまだまだ道半ば。

大学院で化学を勉強していましたので、化学の知識を活かして開発に取り組むような仕事を望んでいました。総合化学メーカーへの就職活動も進んでいた中、大学の先輩に紹介してもらったのがNOKでした。NOKとの出会いで、「化学のスペシャリストだけではなく、様々な領域の専門分野の人が集まっている環境」でモノづくりに取り組める企業で働きたいと思うようになり、NOKに気持ちが傾きました。話しやすい雰囲気でトントン拍子に選考が進んだこともあり、いつしか入社の意志を固めていましたね。

私は入社以来、材料開発の仕事に取り組み続けています。NOKの主力製品である自動車用のオイルシールに使用されているゴム材料を、お客様が求める機能を満たし、かつ適切に量産できるモノにすべく、原材料の配合を検討し、混練などの加工方法についても考えて実験する業務に関わっています。世界でもトップクラスのシェアを誇る製品に携われることにやりがいを感じますが、ラボスケールの実験では上手くいっても、量産を想定した試作では要求された物性を満たすモノができなかったりと、試行錯誤を繰り返す日々です。昔は先輩や上司がいないとできなかったことも、少しずつ自分一人でできるようになってきました。まだまだ、先輩や上司の豊富な知識や経験に助けられる場面もありますが、成長している自分を感じています。

あと少しで、自分が関わった製品の一つが量産され、世の中で活躍することができそうです。入社4年目を迎えてようやく一つですが、私にとっては思い入れのある一つの開発。製品が世の中に出回るまでには、多くの苦労と非常に長い時間が必要ですが、それがやりがいに繋がっていると感じています。ゆくゆくは何か突出した専門分野を持ち、周りから頼られる存在になりたいですね。

先輩への質問

4年目

7年目

Aさんは、私だけではなく困っている人がいると、すぐに気づいて手を差し伸べてくれますよね!?本当に周りをよく見ているなあ、と思いますが、どうしてAさんはそんなにも相手の気持ちに気づき、気配りができるのでしょうか?周りのどんなことを観察しているのでしょうか?

7年目

S.A

NOK株式会社
技術本部 材料技術部 材料開発一課
理工学研究科 材料工学専攻 修了

取り組みがいのある素材にチャレンジしている
から、みんなの仕事が、技術が気になる。

学生時代は金属を専攻しており、入社時は、金属製品を扱っているグループ会社のイーグル工業に配属となりましたが、2年目に現在のNOK材料技術部へ転籍(異動)となり、大変驚きました。有機系の知識は在学中あまり深く追求していなかったですし、正直そこを避けてきました。それが今ではゴムという有機材料を扱う仕事にどっぷりと取り組むことに。人生はどうなるかわかりませんね。それでも、異動してきた当初の「あれとこれを混ぜて、こういうモノを作ろう」というレベルだった数年前からさらに成長して、開発するゴムがどのような部品に使われるのか、までを考えながら開発に取り組めるようになってきました。

課のメンバーは、それぞれ“テーマ”を掲げて開発に取り組んでいます。私は金属材料並みに導電性のあるゴムづくりや、強い磁力を持つゴムの開発をテーマとしています。前者は電波や電子回路が発する電磁波をシャットアウトできるので、自動運転の仕組みに貢献できる可能性がありますし、後者はABSの軽量化などに役立ちそうです。自分の仕事が、ひょっとしたらモータリゼーションの未来に資することがあるかもしれないと思うと、モチベーションも上がります。

将来的にはマネジメント側に回りたいと思っています。私は他のメンバーが取り組んでいる様々な技術に興味がありますので、マネジメントの立場ならそれら全てに関わることができると思っているからです。現状は求められる機能や仕様を追いかけている状態ですが、いつかはこちらから新たな製品・技術を提案できるような知見とノウハウを確立したいですね。

後輩への回答

4年目

7年目

課のメンバーの仕事の進捗状況は、課長が展開してくれる情報で把握しています。私はみんなが取り組んでいる技術に興味があるから、気にしていると言うよりも気になるのかな。あと、後輩たちに新婚さんが多いので、早く家に帰してあげたいなという思いで手伝うこともあります(笑)。

先輩への質問

7年目

11年目

Oさんはどんなに忙しくても、細かく深い検討をされているなと感じます。技術者としてすごく尊敬しています。仕事の優先順位付けは、どのようにしているのですか?

11年目

K.O

NOK株式会社
技術本部 材料技術部 材料開発一課
専門主事補
工学府 応用化学専攻 修了

好奇心を持ち続け、材料の技術者として確立した存在になりたい。

分野を問わず、“すごい”と思えるモノを作っている会社の技術者になりたいと思っていました。NOKはその1社だった訳ですが、決め手は社風ですかね。採用担当者から頂いたメールが定型文ではなく、自分と話をした内容を踏まえて送ってくれたことに心を打たれました。

材料開発の技術者として、研修後から今に至るまでキャリアを積んでいます。また、現在の湘南開発センターだけではなく、3年半の間、NOK鳥取事業場で勤務していました。現在は、オイルシール事業部とガスケット事業部の仕事を手掛けていますが、基本的に仕事内容はFさんやAさんと一緒で、要求される機能を満たすゴム材料の開発と量産化の検討などを行っています。現在のキャリアになって、素材やそれが使用される部品のことだけではなく、量産化のために必要なことや、世の中に製品が出回った先にどんなニーズが発生するか、と言ったことまで考えられるようになったことに、自身の成長を実感しています。

また、後輩たちを指導していくこともキャリアの中で求められている、という自覚がありますので、新たな知識を得られそうな機会には「一緒にやるか?」と、後輩たちをできるだけ誘うようにして、経験の場を作っています。我々が取り組んでいる開発には、耐寒と耐熱、耐水と耐油など、二律背反した機能を両立させなければいけないような状況が多々あります。難しい課題に取り組む技術者は、やらなければいけないことに取り組んでいるだけでは、思考も成長も止まってしまいますからね。これからも、自分自身の仕事にしっかりと優先順位をつけて取り組み、他者を巻き込みながら広い技術や知識を身につけていきたいです。

後輩への回答

4年目

11年目

私は何でも思いつくままノートに書きこむタイプなのですが、定期的に自分が今抱えている仕事(ノート)を見ながらしっかり整理して、優先順位や重要度などを整理しています。週1回くらいでそれをするのが理想だけど、今は月に1~2回くらいかな。自分なりの管理方法を見つけることが大事だと思います。

上司への質問

11年目

22年目

K課長とは、私が湘南開発センターに来てからのお付き合いですね。課長になられた後、「マネジメントより、技術の現場の方が面白くないですか?」と聞いたら、「そんなことないよ」と答えられました。改めて伺います。マネジメントの面白さとは?

22年目

K.K

NOK株式会社
技術本部 材料技術部 材料開発一課 課長
生物システム応用科学専攻 修了

成長を手助けし、メンバーが自分の仕事を
「面白い」と思ってもらえるように。

材料開発一課が取り組んでいるのは、主に自動車や一般産業機械向けに使用されるゴム製品の材料開発であり、主に省エネ、あるいは様々な条件(温度や接する液体が何かなど)に対する耐久性を高めることを目指し、既存の製品をより良いものにすべく、日々検討を行っている部署です。ゴムという素材は、まだまだ物性において解明されていない点が多い分、既存製品への取り組みであっても、新たなチャレンジが多いところが面白みと言えます。

マネジメントの立場になるまで、もっと言えば学生の頃に取り組んだスポーツなどを振り返ってみても、どちらかというと何事にも一人で取り組むような状況が多かったと思いますが、今の立場も悪くないなと感じています。みんなで何かを成し遂げるということが、案外すごく楽しい。

メンバーはとても頼もしく、若い世代がグイグイと自ら仕事を進めてくれています。こちらが気づかないところを気づいてくれて、「そんなところまでやってくれたの!?」と思うこともしばしば。メンバー全員が総合力の高い“エース”となれるよう、それぞれが何をしたいのかを把握し、手助け・サポートをすることが自分の仕事だと思っています。やっぱり仕事は面白い方がモチベーション高く臨むことができるものです。ですから、アドバイスをするときは、「こうした方が面白くない?」というように、意外性を引き出すようしています。今後もメンバーの成長に精一杯コミットしていきたいと考えています。

部下への回答

11年目

22年目

マネジメントの立場では、大勢で何らかの成果を出す喜びを味わうことができるし、メンバーそれぞれのやりたいことに関わり、それをサポートすることで、自分一人ではできない幅広い仕事や技術に関わることができる。それが管理職のやりがいですね。

若手・中堅社員に期待すること

22年目

若手・中堅

技術者にとって、「これをやりたい」というこだわりも大切だけど、柔軟性をもって様々な仕事にチャレンジしていくことも、成長において重要だと考えています。だから、なるべく多くの経験・体験を通じて、どんな困難にも立ち向かえる力を、みんなには身につけてもらいたいと思っています。