case 02
材料技術編
motive
入社動機
大学院では「化学工学」を専攻し、薬の錠剤などの製造で採用される「造粒」の研究に取り組みました。NOKは、助教授からの推薦で知りました。NOKのシール製品の原料となるゴム材料は粉体との配合技術で成り立っていることや、大学院で取り組んだ小スケールから量産へのスケールアップの知見など、これまで学んできたことが活かせると思い入社を決めました。
2000年(入社1年目)~
筑波技術研究所(当時) 材料研究部 材料研究一課
テーマに対して自由な考えで挑戦できる環境で
仕事の楽しさとやりがいを早くも実感した。
入社後、湘南R&Dセンターの前身である筑波技術研究所に配属されました。3か月間の研修を経て、新入社員ながらもテーマを与えられて材料研究に取り組みました。その一つがゴム用添加剤の開発で、具体的には添加剤のマイクロカプセル化です。これはゴム材料を混練する際のハンドリングを向上させ、混練の円滑化を目指したものでした。また、パソコンやスマートフォンなど幅広く採用されているFPC(フレキシブルプリント基板)製造における、塗工後の処理方法に関してチームで特許も取得し、量産まで繋げることができました。自分の考えで自由に挑戦でき、入社早々確かなやりがいを感じて仕事をすることができました。上司、先輩の面倒見がよく、手厚いフォロー、サポートがあって「仕事が楽しい」ことを実感。2年間のみの在籍でしたが、仕事の進め方をはじめ、材料に関して広く学べた充実した期間だったと感じています。
2007年(入社8年目)~
湘南R&Dセンター
技術本部 材料技術部 接着技術課
2度の産休・育休を経て復帰、
そして、女性技術者初の海外出張を経験。
ゴムの表面処理技術において画期的な新技術を確立。
1度目の産休・育休から職場復帰後は接着技術課に所属となりました。シール製品の多くは金属とゴムで構成されており、接着技術は製品の品質を左右する大きな要素になります。復帰後に担当したのは、接着剤開発に関わる分析業務。接着剤の出来栄えを確認したり、接着メカニズムを解明したりするための分析に取り組みました。復帰後、11か月で再び産休・育休を取得。2度目の復帰後、私が取り組んだのは、ゴムの表面処理技術でした。この時期、次女が二歳の時に、女性技術者で初の海外出張となるドイツに行く機会をいただき、現地グループ企業との情報交換、技術共有を行いました。この出張をきっかけに、従来のコーティング手法よりも工数を低減でき、かつ、環境にも配慮した新技術のを確立を行いました。この技術はその後、グループ会社で採用が決まり、現在も量産中です。
2018年(入社17年目)~
湘南R&Dセンター
技術本部 材料技術部 接着技術課
錆による腐食の進行を遅らせるコーティングの開発。
事業部、グループ会社との新たなつながりが生まれた。
量産品の相談から開発まで、NOK製品の表面処理全般を任されました。この頃、事業部、グループ会社で横断的に新製品を生み出すプロジェクトが立ち上がり、私も参画しました。当社のお客様サイドで課題の一つになっていたのが、水や塩水などの侵入によってアルミ筐体に錆が発生すること。水や塩水による腐食が起きるとユニットの中に水分が侵入し機能が損なわれてしまいます。テーマとしたのはガスケットに塗布したコーティングで腐食の進行を抑制することでしたが、当初はこんな薄い膜で腐食防止の機能を持たせるのは正直、無理ではないかと思っていました。そうした中でも、試行錯誤を繰り返し、「RUSTECTOR コーティング」を開発することができました。コーティング剤の配合を絶妙にコントロールすることで実現したもので、現在は量産準備のフェーズにあります。このプロジェクトは、事業部やグループ会社と連携して進めたもので、ここで形成された人とのつながりは、自分にとって貴重な財産となりました。
2022年(入社23年目)~
湘南R&Dセンター
技術本部 製品開発一部 EM開発課
入社23年目で始まった新たなチャレンジ。
ガソリン車からEV車への転換の中、
将来を担う新製品開発に向き合う。
入社23年目の2022年、技術者として大きなキャリアチェンジをすることになりました。それが現在所属するEM開発課への異動です。「EM」とは「e-mobility」のことで、ガソリン車から電気自動車への転換期の中で、NOKの将来を担う新製品の開発を担当しています。未経験の設計業務にも携わることになり、専門外への新しいチャレンジとなります。現在、設計チームのリーダーを任されていますが、材料の研究開発で培った知見を設計に反映させるなど、材料からのアプローチがより良い設計に繋がっていると感じています。主に電動化向けユニットの新製品の開発に取り組んでおり、将来のNOKを支える製品を生み出していきたいと考えています。そのためにも、電気自動車の進化を一歩先取りした製品で、市場のニーズに応えていきたいと思っています。
challenge
これから挑戦したいことは?
EM開発課が発足して、1年未満であるため、まだ製品化したものはありませんが、まずはメンバー一丸となって一つの製品を市場に送り出すことが当面の目標です。私の技術者としてのスタンスは、「現状維持を否定すること」。実際、材料の研究開発では常に新しいものにチャレンジしてきましたし、それが成長を促してきたと思います。今回の「e-mobility」というフィールドは、自身にとって格好の舞台です。将来的には、数多くの「e-mobility」製品を生み出し、NOKの事業の柱の一つに育てていきたいと思っています。
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